昭和二十七年出版の古書です。
目加田誠『北平日記』を読んでいて
そういえば同じ時代のものがあったなぁと本棚をあさりました。
目加田誠『北平日記』は昭和八年から十年までの日記ですが、
奥野信太郎『北京留学』は昭和十一年から十三年、そして昭和十九年から一年半の北京滞在の思い出を戦後にまとめたものです。
戦争が終わって、中国も新しい中国になって、
在りし日の北京の思い出をまとめたような気がする一冊です。
どちらが面白いかというと、
日記は日記で面白いですし、
思い出話は思い出話で面白く、興味深く読み進めています。
日記とは違って、整理されているので、読みやすいですよね。
これらに加えて、
芥川龍之介の『北京日記抄』や
藤田元春の『西湖から包頭まで』の北京部分
などを合わせて読むと、別の角度、別の時代の北京がうかがえしれて楽しいです。